ヨトウムシ類の発生と防除

発生の特徴

 ヨトウガ、ハスモンヨトウは、中型のガであり、ともに代表的な野菜害虫となっている。アブラナ科だけでなく、ホウレンソウ、ネギ、レタス、ゴボウ、ピーマン、ナス、トマト、キュウリ、ニンジン、イチゴ、カボチャ、ダイズ、サトイモ、サツマイモなど幅広い作物を食害する。秋ハクサイに多く被害を与える。

 8〜9月に定植するハクサイに関して、9月上旬の降水量が少ないと、ヨトウガの発生量が多いという傾向が報告されている。
 ハスモンヨトウも空梅雨で、高温の年に大発生の傾向がある。


早期防除

 老齢幼虫が食害の80%以上になる.5・6齢幼虫が摂食量の95%という報告もある。防除が遅れると大きな被害が出るため、若齢幼虫発生期を丁寧に調べ、カスリ状の葉の有無に注意し、見つけた葉ごと幼虫の集団を取り去ることが効果的。ヨトウガの仲間の幼虫は、1枚の葉にたくさんの幼虫がまとまっているのが特徴。卵やこのような群れている幼虫を手で取り除くか、この周期の卵がかえるのをまって、薬剤防除を行う。
 
 終齢になってしまうと防除は難しいが、ハクサップ水和剤、サイハロン乳剤、アディオン乳剤の散布により、夜間に這い回る虫が葉上で薬剤に触れ、効果を示す。
 ハスモンヨトウは昼間に土中に潜らないこともある。

群れている幼虫  
ハスモンヨトウ  
黄色蛍光灯による防除

 夜間、圃場を照明することによって、夜のガの活動を抑える防除法
 面積470m2のガラス温室のなかに、40Wの黄色蛍光灯を(10a あたり 8.5器相当)で吊るし、1995年の7/1〜11月まで実験した結果、高い防除効果を得た(バラ:室内)。

 さつまいものほ場10aに、40ワットの黄色蛍光灯(550〜600ナノメータの波長だけを発する特殊な蛍光管を使用した、株式会社エヌビティ製「撃退君」あるいは松下電工(株))10基を設置し、その後、葉の食害やハスモンヨトウの成虫密度を調査した。
 

サツマイモ圃場で、捕獲されたハスモンヨトウの頭数
(蛍光灯を照らした圃場は少ない)

詳しくはこちらへ


ヨトウガの天敵

 クモ類、アシナガバチ、肉食性カメムシ、寄生バチ、カマキリ、アマガエル、鳥など。
 畑の縁にあるわずかな植木(チャ・クワ・ツゲ)でも、多くのクモのかくれ家となっている。こうした低い生け垣を、大切にすることは、農薬の散布回数を減らすことにつながる。

フェロモン剤によるモニタリング

発生消長のピークをつかみ、防除適期を把握するためには性フェロモン剤(フェロディンSL)が有効。
 

 このころ成虫が多いということは、交尾--産卵--孵化の日数を検討し、一週間から10日後に若齢幼虫の薬剤防除をはじめると良いという見当がつく。

近隣圃場への注意

 ヨトウガの仲間は、多くの種類の作物につくため、ハクサイの圃場のみを管理するだけでは十分ではない。きちんと初期防除を行っていても、途中から急に被害が目立つのは、このためでもあるだろう。
 特に、秋にサトイモの葉など他の作物についていたハスモンヨトウが、集団でハクサイ畑に移動することが知られている。
 ハクサイ圃場のそばにある、サトイモ、サツマイモ畑に、ハスモンヨトウが発生していないか注意をする必要がある。その畑から、移動してこないよう、ビニール、塩ビ板などで圃場を囲むなどの工夫が必要。
 近所の方との協力も必要となる。
 

メール アイコン
メール

アブラムシ
しおりTOP
ハモグリバエ

コナガ

トップ